-
【編集長のつぶやき vol.523】 「低迷」「迷走」を続ける大手ファストフード「M社」。その下地は、創業当初からのビジネスモデルにあった?
-
2017.12.11 Monday 00:00
2017.12.11
今世紀?に入って以降、この国では、大手ファストフード「M社」の「低迷」と「迷走」が長らくマスコミを賑わせています。
その多くの論調は、カリスマ型の創業者「F氏」の手を離れ、本家である米国流の経営手法が災いしたためだとか、時代の変化を読めず、消費者のニーズを見誤ったとか、様々な不祥事が影響しているといった感じでしょうか。
こうした個々の指摘については、いちいちもっともだとは思うし、短期的な分析という点では間違っていないとは思います。
しかし、それが転じて、F氏の再評価や礼賛に繋がっているのは、なんだか的外れな気がしました。
確かにF氏は、米国の本家と対等に渡り合い、日本最大のファストフードチェーンを短期間で構築したワケですから、その「功績」は計り知れないくらい大きかった、と言えるでしょう。
当時は珍しかったアルバイト社員の研修・教育や、徹底したマニュアル化など、日本の飲食業界に「革命」をもたらしたと言っても過言ではありません。
しかしその一方で、「ハンバーガーが不味いと言っているのはサルかチンバンジーである」といった発言や、使い捨ての容器を大量に購入することでコストダウンを図り、調理後10分(7分という話も)経った商品は容赦なく廃棄といった手法は、少なからず反感を買いました。
また、M社で勤務する非正規労働者の時給は、コンビニエンスストアなどと並び、「底辺労働者」を象徴する数値のように語られています。
まあ、「サルかチンパンジー」については、メディア向けにウケを狙った挑発的な発言だとは思いますが、それにしても下品ですよね。
F氏自身も、ハンバーガーよりもきつねそばが好きだとか言っていたようだし。。。
「調理後10分で破棄」については、実際のところ、かなり正確に需要を予測しているので、「捨てるほどの量はつくらない」ということらしいのですが、資源や食料の浪費を公然と?著作で述べているあたりは、正直、人格を疑います。
フードロスが社会問題となっている昨今、こんな発言を大っぴらにしたら、間違いなく「反社会的企業」の烙印を押されるでしょう。
また、「底辺労働者」として語られることの多いM社の時給や待遇については、そもそもブラック企業?が多い飲食業界にあっては決して悪くはなく、正社員に至っては、業務は過酷ながらも、業界内ではかなりの「高給」なのが実態らしいのですが、M社の時給が〇〇ということが語られること自体、「それにしても」という感じです。
つまるところ、M社は、残念ながら現在の日本では当たり前になってしまっている「回りま回って、多くの人を不幸にすることで利益を極大化するビジネスモデル」を率先して実行?していたようなものでした。
M社が「低迷」「迷走」する下地は、F氏の路線を否定して改革に臨んだとされる経営陣の「失政」以前に、そもそも「支持されない」「支持すべきではない」ビジネスモデルにあったと言えるでしょう。
余談ですが、我が故郷は、日本で一番最後にM社が出店した県です。
ソ連崩壊後のロシア・モスクワへの出店よりも後でした。
当時はその「ド田舎っぷり」を恥ずかしいと思ったものですが、今となっては、その事実は郷土の誇りですらあります(笑)。
ニュース投稿やご質問・ご相談はこちら
P R ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ - ←back 1/1 pages next→