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【編集長のつぶやき vol.529】 「お土産業界」が長年抱えるジレンマ?地元が本当に潤うお土産は何処に。
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2018.01.10 Wednesday 00:00
2018.01.10
先日、某県の「某観光都市」を訪れる機会がありました。
この某観光都市、中心市街地の活性化や観光振興という点では「比較的成功している」部類に入るのですが、お土産を購入する段階で「う〜ん」と思ってしまいました。
このまちでは、食品や工芸品など、多彩なお土産品が揃っているにも関わらず、売れ筋というか、「定番」の棚に多数積まれている商品は、とくにご当地特産の原材料を使用しているとは思えない「焼き菓子系」の商品なのです。
日本中、どこへ行っても購入できそうな焼き菓子に、ご当地の地名がプリントされただけ、という、よく見かけるアレです。
もちろん、地元で評判の洋菓子店がオリジナルのブランドで商品化している、というのであれば、別にありきたりの焼き菓子でも構わないのですが、商品を見る限り、地名のプリント柄以外は殆どが県外の「委託工場」に丸投げといった感じ。。。
毎度のことながら、これでは県外資本の食品メーカーが潤うだけで、地元産品への波及効果は無く、輸入小麦の消費量が増えるだけです。
もっとも、こうした現状は今に始まったことではなく、かなり以前から「地元が潤わないお土産業界」の構造を指摘する声は、少なからずありました。
ただ、こうした商品が「売れ筋」「定番」になっているということは、販売する側の「仕掛け」に消費者がまんまとはまっていると捉えるのか、そもそも無難で当たり障りの無い商品を消費者が求めていると捉えるのかは、微妙なところです。
「名物に旨い物なし」ではありませんが、現地で食べれば美味しい、もしくは珍味とされるものであっても、それを現地以外に持ち帰った時点で「がっくり」ということはよくある話ですからね。
極論すれば、地名や観光地・観光施設の名称、場合によってはデザインやキャラクターといった「知的財産」を売っているのであって、商品そのものを売っているのではない、と言えなくもないでしょう。
逆を言えば、「名物に旨い物あり」な商品であれば、既に全国販売している例もあるワケで、全く同じ商品なら、わざわざ現地で購入する意味はありません。
となると、あくまでもお土産品であるならば、「デパートや通販でも買えるんだけど、わざわざ本店のある現地で買ってきました」という「お墨付き」が必要になりますよね。
回り回って、地名や観光施設などがプリントされた商品は、やはり定番として必要ということになります(笑)。
しかしそれでも、商品の中身とプリントがあまりにも乖離している商品はやはり、健全なお土産?とは言い難いでしょう。
この現状を打破するアイディアはなかなか思い浮かびませんが、今後は取材先でのお土産に関しても、何かヒントとなりそうな「実例」を購入してみたいと思います。
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