【編集長のつぶやき vol.478】 自国の市場規模が500万人のノルウェーと、1億2,000万人の日本。音楽産業にとってはどっちが有利?
2017.06.21 Wednesday 00:00

2017.06.21

前回は、まちおこしとはあまり関係のない、a〜ha のお話をしました。

 

今回は、話の成り行き上?彼らの出身地であるノルウェーつながりで、多少まちおこしに関係のありそうなお話です。

 

ノルウェーと言えば、ご承知のとおり、他の北欧諸国同様、税率が高い分だけ手厚い福祉が受けられる国。

物価も高いらしいのですが、そもそも所得水準が高いので、国民の満足度も高い、とされています。

 

このノルウェーという国、国土は日本とほぼ同じくらいなのに、人口はわずか500万人。

しかも、国土のほぼ南端にある首都・オスロ周辺に、かなりの人口が集中しています。

 

言語については、ノルウェー語のほか、英語も普通に話されているらしく、ノルウェー出身のa〜ha が英語で「世界進出」するのは、言わば自然の流れ?なのかも知れません。

 

なんたって、すぐ近くのイギリスは人口約6,000万人(ノルウェーの約10倍以上)、その先のアメリカは人口約3億人(ノルウェーの約50倍以上)という、巨大マーケットですから。。。

 

一方、日本は人口1億人超。

ノルウェーの約20倍ものマーケットを有しており、英語が殆ど通じない国?であるにもかかわらず、日本語の唄だけでなく、英語による「洋楽」も普通にヒットしたりしています。

 

しかしご承知のとおり、当たり前と言えば当たり前ですが、自国の大きなマーケットに支えられている日本のアーティストが「世界進出」するとなると、これは相当にハードルが高い。。。

 

英語という壁がある限り、少なくともロックやポップスに限れば、人口500万人のノルウェーよりも、人口1億人超の日本の方が、今後とも大きなハンデを負い続けることになるでしょう。

 

一方、アーティストではなく、楽器の世界はどうでしょうか。

 

前回紹介したa〜ha のPVに登場するキーボードは、1988年がYAMAHA、2015年がRolandでした。

ご承知のとおり、YAMAHAは日本が誇る世界最大の楽器メーカーですし、Rolandは近年、経営陣の内紛?により外資が入り込んだとは言え、今のところ、浜松に本社を構える日本の大手電子楽器メーカーです。

 

日本のロックやポップスのアーティストが世界を席巻しているライブ動画には、残念ながらあまりお目にかかれませんが、a〜ha に限らず、海外の名だたるアーティストのライブ動画には、日本の電子楽器が必ずと言ってよいほど登場していますよね。

 

家電などの世界では日本メーカーの「凋落」が叫ばれて久しい一方、電子楽器については、少なくとも30年以上、日本メーカーが「王座」に君臨し続けています。

 

もちろん、今のところ「王座」にある日本の電子楽器メーカーも、様々な技術的・環境的な変化で覇権を奪われる危険はありますし、現にRolandには厳しい時期もありました。

 

とは言え、アーティストの「輸出」が難しいのなら、楽器の「輸出」に注力した方がよさそうです(笑)。

 

さて、YAMAHAやRolandは、なぜ世界的な楽器メーカーになれたのでしょうか?

それは、技術力・商品力があったから。。。には違いないのですが、それに加え、自国の「マーケットの大きさ」も、間違いなく後押しになったことでしょう。

 

それは単に人口規模そのものが大きかった、というだけでなく、「音楽を消費できる豊かな中間層」が厚かった、ということにほかなりません。

 

実は、片田舎のまちにまで音楽教室やギター教室があり、多くの中学校に吹奏楽部があり、一般家庭の子供が普通にバンドを結成できる国、というのは、世界的に見ると、かなり「稀」らしいのです。

 

この点では、自国の市場規模が大きい日本は、ノルウェーよりも圧倒的に優位と言えるでしょう。

まあ、通信機器などの世界では、フィンランドのノキアのように、自国の市場規模とは無関係に世界を席巻したメーカーも無いワケではありませんが。。。

 

となると、やはり危惧されるのは、「自国の市場規模の縮小」という現実です。

日本がダメなら、まだまだ開拓の余地がある海外に出ちゃえ!という考え方を否定はしませんが、ガラパゴスと揶揄されつつも、日本という市場環境で育ったからこそ強かった、という側面だって小さくないはず。。。

 

とくに深刻なのは、少子高齢化という「直接的な人口減少」よりも、格差の拡大による「豊かな中間層の消滅」の方ではないでしょうか?

 

非常に単純な計算ですが、日本の人口規模が現在の1億2,000万人から8,000万人へと3分の2に減少するのなら、1人当たりの所得を1.5倍にすれば、経済規模のボリューム自体は現状維持となります(まあ、現実にはそんな単純ではないでしょうけど)。

 

しかし、人口が減少する中にあっても、1人あたりの「可処分所得」が増えれば「音楽を消費できる豊かな中間層」が減少するとは限りません。

音楽の消費者は「子ども」とは限りませんから。。。

 

なんだか、a〜ha やノルウェーのお話からは随分と脱線していまいましたが、このお話の続きは、いずれ折を見て続けてみたいと思います。

 

ニュース投稿やご質問・ご相談はこちら

P R ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

| まちおこし編集長 | 編集長のつぶやき | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://machiokoshi.jugem.jp/trackback/1949
Search
Profile
Category
Archive
Latest Entry
Recent Comment
  • アーケード商店街のような?JR唐津駅高架下の商業施設。 【2018年12月 佐賀県唐津市】
    高沢里奈 (03/27)
  • アーケード商店街のような?JR唐津駅高架下の商業施設。 【2018年12月 佐賀県唐津市】
    唐津駅 (03/27)
  • ハッピードリンクショップ??? 【2015年07月 山梨県都留市】
    haru (04/16)
  • 長野には立派な「地下鉄」がある?長野電鉄「長野」駅にて。 【2014年05月 長野県長野市】
    test (04/16)
  • 岳南電車の終点「岳南江尾駅」へたどり着く裏ワザ?沼津駅前から路線バスに乗車(1)。 【2015年07月 静岡県沼津市】
    まちおこし編集長 (07/22)
  • 岳南電車の終点「岳南江尾駅」へたどり着く裏ワザ?沼津駅前から路線バスに乗車(1)。 【2015年07月 静岡県沼津市】
    yoshitomitakada (07/22)
  • 秋田杉で出来た、JR秋田駅前のバス停。 【2014年08月 秋田県秋田市】
    taic02 (08/28)
  • シビコ別館。ここにも昭和の栄華が。 【2010年12月 愛知県岡崎市】
    tt0138 (07/19)
  • 特急あずさの車内販売で、スジャータのアイスクリーム。 【2010年7月 特急あずさ車内】
    太郎 (09/23)
  • 【PR記事 一度は泊まってみたい宿】 2012年9月オープン。宮崎のマチナカに登場した隅研吾作品「ガーデンテラス宮崎 ホテル&リゾート」。 宮崎県宮崎市
    ふちがみかなこ (09/16)
Recent Trackback
Links
Admin
Calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>
スポンサーサイト
Mobile
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM