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【編集長のつぶやき vol.543】 何年経っても殺風景なままの「新幹線の新駅」周辺。そこに必要なのは逆循環の発想?
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2018.03.05 Monday 00:00
2018.03.05
ちょうど1週間前ですが、弊社のニュースサイトでは、【編集部取材】 成田空港周辺にひしめく大規模ホテル。「飛行機に乗らない」宿泊客もターゲットに 千葉県成田市という記事を掲載しました。
内容については、飛び先の記事本編(全編の閲覧は有料)をご覧いただきたいのですが、ざっくりと言えば、もともとは巨大空港という「需要の発信源」に付随して高度に集積したホテル群が、自ら新たな需要を創出する循環に入った、というお話しです。
さて、この「巨大空港」を軸とした循環構造、「ある場所」に応用できると思いませんか?
それは「新幹線の新駅」です。
新幹線の新駅と言えば、中心市街地を遠巻きにした、やや辺鄙な場所に建設されることが殆ど。
新大阪や新横浜など、大都市の表玄関となっている「新駅」については、駅周辺に多数のホテルが建ち、それなりの「街」を形成しています。
しかし、それ以外の多くの新駅は、開業からかなりの年月が経っているにも関わらず、駅周辺は未だに青空駐車場ばかり、というのが現状です(佐久平や三河安城など、例外的に「発展」している駅も、あることはありますが)。
在来線から隔絶された「孤立駅」で、しかも各駅停車の「こだまタイプ」しか停車しない新駅では、よりその傾向が顕著であると言えるでしょう。
こうした新駅は、1日の乗降客が1,000人に満たないところも多く、一見すると、毎日数万人が利用する巨大空港とは比較にならないかも知れません。
しかしその一方、こうした新駅の周辺は区画整理が進んでいる場合が多く、しかも駅前なのに最初から広い駐車場を確保できるという、大きな強みがあります。
また、新駅自体がその大きなキャパを持て余している点も見逃せません。
近隣や広域から「車」で訪れる層も想定に入れれば、温浴施設などを完備したホテルが新駅周辺に建つことで、「新幹線からの下車客を呼び込む」という逆の効果だって考えられるはず。
実際、くりこま高原など、それに近い事例はあります。
さらに言えば、それが1軒のホテルに留まらず、複数のホテルや観光施設、商業施設などに複合的・面的に発展していけば、そもそも新幹線の新駅という「強力な足」を有しているワケですから、ある時点からは加速度的に?循環が始まるかも知れません。
つまり、空港ならぬ新幹線の新駅に「付随」する需要を前提とするのではなく、ホテル自体の集客力を新駅に「還元」するという逆循環の発想です。
殺風景な状況が長らく続いている数多くの新駅には、実はこうした意外な可能性が隠されているのかも知れません。
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